雨が降っても「虹」を見る

 ~人生の「転び方」と転んだ時の「起き上がり方」~

 

 元々は、行政機関(児童相談所など)で心理職として働いていました。毎日、沢山の心理検査を実施しながら、色々な問題を抱える人のお話を伺っていました。干支が一回りするほどの間に、心理検査は1万ケース以上こなしていたと思います。

 心理検査などのツールを使いながら、状況を整理したり、検査を受けていただいた方の「切り札」を探したり、今何をすると良いのかなどといったことを考えていく力がつきました。また、他職種の方々と一緒に協働していく力もつきました。これが、私が仕事をするうえでの「骨格」になっていると思います。

 

 行政機関を辞めて、トラウマ心理相談室を拠点に、学校園の仕事や医療機関の仕事、そして、ハローワークの仕事などをしながら経験を積んできました。

 子どもだけではなく、大人を「じっくり」サポートするための様々なスキルが身につきました。「骨」に「肉」をつける期間でした。

 

 一方で、仕事をしながら子育てに悩み、さらに子育てに重なった父母の介護は壮絶で…何とか父母を看取りましたが、何度も眠れない夜をすごしました。

 トラウマとなる出来事や喪失体験に、私自身も薬物療法や心理療法を受けながら凌いだ時期もあります。

 「夜と霧」のフランクルではないですが、人生が自分に何を求めているのだろうと暗闇の中で足掻いていました。「光」があるのかと思う日もありました。

 こういったことが「血流」になっているように思います。 

 

 初めてスキーをする前に、ゲレンデで短い講習を受けました。

 インストラクターが教えてくれた最初のことは「転び方」、転んだ時の「起き上がり方」でした。「上手に滑る」ことではありませんでした。

 

 多くの人は、幸せで順調な人生を願っていると思います。

 願わくば「転びたくない」、転んだとしても怪我は少ない方がいい…

 けれども、転ばない人生はないのです。

 そう思うと人生もまた、スキーと同じように「転び方」、転んだ時の「起き上がり方」を知っておくことが大切ではないでしょうか。

 

  Ao Akuaは、ハワイ語です。Aoには「光、雲、夜明け」、Akuaには「神秘的な力」という意味があります。そして、Ao akuaは「神聖な雲、虹」だといいます。

 太陽の光が雨粒に当たって反射すると「虹」ができるそうです。

 

  雨の降らない人生はない。雨が降っても、その先に「虹」を見る。

  

 Ao Akuaでは、あなたが、あなた自身の「切り札」に気づいて、あなたが「自分の人生」を生きていくために、あなたに相応しい方法を、身につけていくことをサポートします。そして、あなたが「自分の人生」を、自分のペースで歩いていくのを見守っていきます。

 

  雨が降っていても、その先に「虹」を一緒に見る…Ao Akuaがそんな場所になることを願っています。

  木村有里 

セラピールーム Ao Akua